JCMR KYOTO Vol. 4 続報 8

今回のJCMR KYOTO Vol. 4「こえ」をとらえる−電子音響における「声」−の公演について、企画者側のJCMR KYOTOからのコメントがないので、すこしだけ…。


 「こえ」をとらえる−電子音響における「声」−という今回のJCMR Kyotoの企画において、企画者側がなによりもテーマとして意識したのは、おそらくは、常に更新され続けることが宿命づけられている「テクノロジー」と「声」という、人間の身体に備わったプリミティブな媒介器官(medium)との出会いということになるのではないかと思います(と、すくなくともわたしは思っていますが…)。

 電子音響によってとらえられた「こえ」と一概にいっても、それがテキストとしての意味をもっている場合もあれば、言語的な意味から遊離して、単なる「ことば」として、あるいは「音(声)」素材として扱われている場合もあるでしょう。また「こえ」自体が模倣されることもあれば、言語のもつ性質にもとづいた機械的な操作が加えられることもあるでしょう。

 今回の川崎弘二さんのレクチャーとそのあとのコンサートによって、そうした電子音響における「声」の多様性をきくことができるのではないかと、企画したもののひとりとして、個人的に大変楽しみにしています。
 あと、音響を担当してくださる能美亮士さんによってリマスタリングされた音源をきくことができるというのも、もうひとつの楽しみであることを付け加えておきたいと思います。 (JCMR Kyoto)